2020.08.26
第2章4HIS hair clinicでの研修 インク
インクの話
見出しの写真はアメリカの有名なゲイ男優だが今のヘアータトゥー技術が世に出回る以前からこの頭だったみたいだ。やろうとしてるコンセプトはわかるがその当時は悲しいかなまだ技術が無かったのかもしれない。少し先を行き過ぎたみたいだ。それにしても有る意味で色ムラの無いきれいな海苔状態とも言える笑
座学=(運転免許の学科講習みたいなもの)もイアンが予め用意してくれていた担当者からレクチャーを受けた。衛生面を含む施術の進め方・マシーンの使い方・針に関する事・インクに関する事など一通りだ。それぞれ細かい部分は有るがインクの事だけ少し話そう。
HIS hairで使うインクは水溶性で原液を水で薄めて使い、人種や肌の色によって希釈度を変える。下のイラストはHIS hairの研修マニュアルに記載してあるものだが青は黒人系で赤は白人系。緑のミディアムスキンが我々の様なアジア人で8倍から30倍に希釈すると記してある。これまでの経験から日本人の平均希釈レベルは初回に30〜35くらいで始めてその後は20〜25という感じだ。しかし全頭性円形脱毛のケースなどは40〜50で始める場合も有るし全体的に髪が残っていてつむじ周りだけの場合は10〜15を使う場合もある。また前話でも書いたが新陳代謝が活発で色落ちする人は濃いレベルに上げたり、フロントラインと後頭部、サイドのエリアによって濃さを変えるケースも有る。ここでも多数の経験値に基づいたインクの施術メソッドに加えて施術者の頭皮や傷痕との対話能力、状態の判断能力が問われる。
5話でこの施術に於いては技術と理論が全てと言ったがインクも加えたい。このインクは分子構造レベルで設計されたSMP(スカルプ・マイクロ・ピグメンテーション)専用のものだ。使ってみると実に使い勝手がいい。色の経年劣化や変色も無く、毛量の多い人が剃った際の青々というか丁度良い感じのスキンヘッド色を醸し出してくれる。また初回の施術で薄めの色にしたい場合や色落ち後に濃く入れたい場合など様々なケースに希釈倍数で調整出来るので非常にありがたい。私は本施術に於いてはこのインクしか考えられない。
インクについては我がスタッフのH君がSPJのブログで5回に渡って詳細に書いてくれているので興味ある人は読んでみて下さい。このインクの優秀さ、手に入れるまでの苦労話、他のインクの使用で起こった悲惨な画像とか盛り沢山の情報が記されている。私も読んだが部分的には専門的過ぎて良く分からない部分も有る(笑)
https://ameblo.jp/kings-head/entry-12343262069.html?frm=theme