2021.03.22
第6章6国内のヘアタトゥー 負の連鎖で稚拙な施術者が次々と
眉などのアートメイクを施術メニューの一つにしている医療系クリニックが最近増えてきたように思う。以前は無資格の施術者が施術している個人的なサロンが殆どだったと思うが一時当局の摘発が相次いでからは殆ど見なくなって代わりに医療機関がアートメイクも積極的に取り入れるケースが増えてきたようだ。そういう医療機関、従事者を対象に研修を行う機関も有り、この種の研修ビジネスも増えてきそうだ。
さて、海外ではヘアタトゥー=SMPの研修ビジネスを行なっているサロン、クリニックも多く見受けられるが日本ではまだまだ見かけない。上で言ったように法的な面からこの施術も医療分野の範疇として位置されうるのも1つの理由ではあるがこの技術をきちんと教えられるレベルの施術者が日本にはまだ殆ど居ないというのが大きな理由のひとつだと思う。(手前味噌になるが我がSPJのスタッフは私同様、世界のどこに行ってもこの施術の講師レベルに位置しているのは間違いない)しかしながら最近SNSで東京のあるクリニック、アートメイクを主流に行なっているところがこのヘアタトゥー=SMPのセミナーを行うという記事を見つけ、講師の名前を見ていささか驚いた。彼の事は以前から知っていた。以前は別のクリニックに在籍してこのSMPの施術に従事していたのだがその時に彼に施術を受けたクライアントの何名かがSPJに修正を求めてきたのだ。
これが我々の元に来た際のビフォーの写真なのだが何とこの状態で既に合計8時間の施術を受けているという事だった。8時間も有ればフロントラインから頭頂部に至るまでもう全てのエリアが満遍なくドットで埋まり全ての施術が終了している筈。SPJだと初回3時間、2回目3時間の6時間でほぼ完成、3回目の全体のバランス調整で2時間もかからないと思う。
あれから時間が経ってるとは言えこのレベルの施術者が講師としてヘアタトゥー=ヘアアートのセミナーを開き、参加者達に何を教えれるのだろうと思わざるを得なかった。ちなみに上の写真で彼が打ったドット自体は悪くはないと思う。ただ練習不足、経験不足、然るべき指導者の不在が見て取れるのみだ。ただしあれから彼自身が必死の思いで精進し、理論や技術の面で飛躍的な進化を遂げていれば問題はないのだが、それとてなかなか難しいのではないか。
あれから彼がどこまで上達しているのか知る由も無いが「大丈夫なのか」としか思えない。講師レベルに至って無い人から教わった人たちが実際にお客様に施術を施してどのような結果になるかは目に見えている。それもたった1日か2日間のセミナーで覚えた気になっての施術は無謀以外の何物でも無い。我々としてはヘアアートなるSMP自体の悪評に繋がるような事態が今後も益々増えてきそうな状況を懸念せざるを得ない。