2020.06.19
第1章3イギリスのHIS hair clinicでヘアータトゥーを受けた②
施術の開始、その結果
衝撃的な痛みだった。人生で経験したMAXの痛み。とても針を打たれている感じでは無くて彫刻刀とかで頭皮をガリガリ削られている感じだった。数分で冷や汗が吹き出しウーッという唸り声が出た。「我慢出来ないんなら止めてもいいのよ」とクールビューティのランビアに言われたが止めれる訳も無く3時間の拷問にひたすら耐えて初回は終わった。初回はフロントラインから後頭部のエリアを重点的にカバーしたと言われた。
注記:痛みについてヘアータトゥーをこれから検討されるお客様に説明しておきます。当時の私は上記の通り本当に痛かった。彼女の打ち方が原因で、また次回で説明するが要は痛みがアップする打ち方で我々のそれとは全く違う。具体的に例えると我々の施術は針が爪楊枝。少し強めにチクチク刺される感じだが彼女のは針がまるで彫刻刀だ(笑)。ガンの操り方によって針は爪楊枝にもなるしノミや彫刻刀にもなる。我々のお客様の中には鼾をかいてうたた寝するお客様も少なく無い。割合で言うと全く痛がらない人が50%、少々痛いが我慢出来ない程じゃない人が40%、残りの10%は休憩を頻繁に挟みながら何とか我慢出来る人。皮下組織に入れる刺青とは違って表皮に入れて行くヘアータトゥーは本来そんなに痛みを伴うものでは無い。クリニックではどうしても痛みに弱い方には塗り麻酔も用意して有るのでご安心を。
施術後は赤く腫れ上がりジンジンとした痛みが続いた。帰りの駅で抗生物質を買って飲んだがホテルに帰って鏡を見ても頭皮は真っ赤でとてもフサフサの青々としたスキンヘッドのそれとは別物状態。サイドは手付かずで元の皮膚のままだからまるで赤いヘルメットかぶってるような感じだった。このままで帰国したらヘルメットおじさんって笑い者だろうな。ひょっとしてイギリスくんだりまで来てやってしまったかな。などと思いながら不安で夜中に何度も起きて鏡で頭を見ていた。翌日9日、朝起きたら枕にひいたタオルに結構血がついてた。翌日も赤みは残ったままで帽子を被って気持ちが晴れないままロンドンの街中を探索していた。
6月10日、2日目になってだいぶ赤みが治まっていた。鏡で見ると濃いグレーの色みが出てきていて少し安心した。3日目の6月11日は2回目の施術を受ける日だが赤みも治り気持ちに余裕を持って受ける事が出来た。が、その日は両サイドのエリアだったから初回以上の痛みだった。約2時間で終了。側頭部の両サイドと後頭部にあった大きな傷痕もカバーされこれで全体に色が入ったことになる。
2回目の施術を終えて2日後の6月13日には私は賭けに成功したと確信出来ていた。全体の赤みも治まり違和感の無い濃いグレーの色みが頭皮全体を覆っている。傷痕も鏡を見た限りでは判別出来ないくらいだ。色んな感情を含んだ嬉しさが3回目の施術を前にして溢れていた。
6月14日 最後の3回目の施術。最後に全体のカバー。色みが薄い箇所やら赤みで判り辛かったインクの入って無い箇所を約2時間。相変わらずの痛みだが不思議な事に多少は慣れてきた自分を認識した。これで全部終了。腫れもあったが初回のそれほどでは無く、鏡で見て完璧に全てのエリアが濃くカバーされているのを認識出来た。傷痕も綺麗に消滅。
感謝の意をイアンとランビアに伝えてHIS hair clinicを後にした。去り際にランビアが「また来る羽目にならなきゃ良いけど」って言ってましたよ。と通訳の人から教えられたがその時はそんなに気にはしていなかった。とにかく晴れ晴れとした気持ちで残りのロンドン滞在を満喫した。そして賭けに成功した達成感、薄毛の悩みからこの先ずっと解放されるであろう安堵感、薄毛を気にせず過ごせるであろう今後の生活への期待感、様々な気持ち良さを抱えながら帰国の途に着いた。
帰国後数日経って撮ったアフターの写真だ。ちょっと光の反射で明るさが統一されていないが明らかに毛量感が増えているのが分かると思う。側頭部の両サイドと後頭部の傷痕も目視では判別出来ない。施術に関しど素人の当時の私にとっては満足の仕上がりだった。