アートメイクは、眉毛、まつ毛、口唇、頬、乳輪、肉離れなどに対しおこなわれており、その歴史はさかのぼること100年以上前になります。薄毛の悩みに対する頭皮の『スカルプアートメイク(ヘアタトゥー)』はというと、1990年頃に応用され始めたそうです。
ウィッグ(かつら)、植毛、育毛剤、内服薬などの薄毛治療方法に比べると、スカルプアートメイクはまだまだ皆様には認知度の低い薄毛治療の選択肢といえるでしょう。「頭皮アートメイク」「ヘアタトゥー」「SMP」「ヘアアートメイク」「スカルプアートメイク」など、呼称も様々あり、まだどれかひとつが圧倒的に広く認知されているということもありません。
令和に入り、特に韓国発祥のデバイスやテクニックをSNS広告で頻繁にみかけるようになりましたが、韓国製の1000万円近くするデバイスが全く使いものにならなかったり、たった数日の講習を経たのみでお客様に高額な治療費を請求しているクリニックなどが存在するのが、悲しいことに現実です。こういった事態は、日本の市場にビジネスチャンスを見出してる業者が多くいるからであり、そのような都合は、日本スカルプアートメイクのクオリティに悪影響を及ぼしているかもしれないと感じております。
上記のような簡易的に習得できるスカルプアートメイクは「トリコピグメンテーション」とカテゴライズされるものであり、実は当店でご提供しているSMP(マイクロピグメンテーション)という元来のスカルプアートメイクとは別物になります。
【失敗とは?】
当店には、他店や他国で行われたスカルプアートメイクの修正メニューがございます。修正のご相談内容は概ね下記の3つのいずれかです。
- 「すぐに消えてしまった」
- 「不自然なデザイン」
- 「経年で薄くなった」
最後の「経年で薄くなった」を除いては、「失敗」とも言えると思います。インターネットで多くみかけるのは「不自然なデザイン」が圧倒的に多いとおもいます。しかし実際の修正のご相談の8割は前者の「すぐに消えてしまった」です。このタイプの失敗例は、ネット上にあがっていたとしてもあまり消費者の目に留まらないという欠点があります。それは「施術後」が「施術前」の状態とあまり変わらない為です。スカルプアートメイクの種類の違いを知らずにお店選びをしてしまうと、思ってもいなかった結果になりかねませんので注意が必要です。
【なぜ失敗が起こるのか?】
失敗は施術者の技能が不十分と言ってしまえばおしまいですが、頭皮アートメイクの見識が日本はまだまだ低いことにあると思います。
見識や認知度の低さに目を付けた国外の業者が、アートメイクのデバイスと技術を販売する市場を競い合っているため、敷居がどんどん低くなり、未熟な技術をお客様にご提供してしまうに至る要因となり、場合によっては、技術者側ですら知らず知らずに不十分なテクニックを提供してしまっている可能性すらあるのです。
【スカルプアートメイクの種類】
技術提供する側は、お客様のニーズに合わせテクニックを使い分ける必要があります。世界でもまだまだ知られておりませんが、頭皮アートメイクは大きく分けて下記の2つです。
- 【マイクロピグメンテーション/SMP】
- 【トリコピグメンテーション/STP】
どちらも外科的手術を伴わない薄毛カモフラージュ治療ですが、これから薄毛をカモフラージュしたいと思っている方にとっては大きな違いがあります。

トリコピグメンテーション(STP)は、1週間~6ヶ月程度の一時的な持続時間が期待できます。対してマイクロピグメンテーション(SMP)は個人差はありますが、半永久的な効果が期待できます。
どちらのテクニックもそれぞれカスタマイズされたデバイスを使用し、薄毛や無毛部を再建する目的で行われることに違いはありませんが、トリコピグメンテーションはよりマイルドな効果が目的で、それに比べマイクロピグメンテーションはより綿密に計画された疑似毛根の配置、デザインを行うため、より高品質とも言えますが、単にSMPがSTPより優れているというよりは、目的やニーズに合わせて選択するのが正しいと言えます。
お試し程度、まだ永続的な効果を望まない、高い頻度でメンテナンスやリタッチをしてもよい、ほんのりカモフラージュしたいだけ、という目的の場合は、トリコピグメンテーションが適しています。効果の持続、濃さの強弱など計画的なデザイン、ふりかけなどの代替が目的の場合は、マイクロピグメンテーションが適しています。
【あなたの為のスカルプアート】
注意したいのは、トリコピグメンテーションを提供している場合も、提供者側もそうとは知らずトリコピグメンテーションを提供しているという現実です。欧米でもまだまだこの違いの認知は低いので、まだまだ日本でこの違いが認識されるのは遠い未来かもしれません。この様な違いが存在するという認識が無いままサービスを提供しているというのが日本や世界の現実ですので消費者様自身が注意して情報収集する必要がありますが、かなり難しいといえます。



施術の経過例が何より信頼できる判断材料になります。トリコピグメンテーションなのか、マイクロピグメンテーションなのかご自身で判断できるようになると、目的に応じた施術を受けていただけると思います。